🎐 潯珩亂筆 118 - ✨間(ま)は文明の継ぎ目

ある種の差異は、困難を生むためにあるのではない。私たちを少し遅くするために存在している。

私は後になって気づいた。なぜ世界には、完全には翻訳できない部分がこれほど多いのか。なぜ中国語では「一万」という概念が「十×千」という構造を経由して理解されるのか。なぜある言語では、次の意味へ進む前に一瞬立ち止まらなければならないのか。それは失敗ではない。意図的に残された遅延なのだ。

言葉が即座に変換できないとき、人は自動反応できない。滑るように通り過ぎることも、わかったふりをすることもできない。解読しなければならない。立ち止まらなければならない。そして認めなければならない。「今、私はあなたの外側に立っている」と。

その一拍の間に、本当に大切なことが起きる。

翻訳とは、AをBに置き換えることではない。それは二つの世界のあいだを、少しだけ歩くことだ。その歩みは、技術でも効率でも正解でもない。それは尊重であり、関係であり、文明そのものだ。

もしすべてが無縫に変換できるのなら、人間は互いを必要としない。ただシステムがあれば十分だ。しかし文明は、速さのためにあるのではない。もう一歩を踏み出そうとする意志のためにある。

言語の中の引っかかり、不自然さ、うまく訳せない部分。それらは障害ではない。継ぎ目だ。継ぎ目があるからこそ、思考が入り込む。誤解が残る。理解に重みが生まれる。

私は「ちょっと待つ」瞬間を大切にするようになった。すべてを理解したからではない。理解は、本来そんなに軽いものではないと気づいたからだ。

文明が続いているのは、同じ言葉を話せるからではない。違いの前で立ち止まることを、私たちが選び続けているからだ。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 壹佰壹拾捌 CXVIII 🕳️卍

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