🎐 潯珩亂筆 114 - ✨消費のささやかな罠

何年も使い続けているトイレットペーパーがある。

最近値上がりしたことに気づいた。でも同時にロールが「太く」なっていた。最初は自分で理由を探した。きっと二巻分を一巻に圧縮したのだろう。長く使えるように工夫してくれたのかもしれない。

ところが実際に使ってみると、それは「太く」なったのではなく、ただ膨らんでいただけだった。紙粉と空気ばかり。一度引くだけで粉が舞い、床にも空中にも散っていく。柔らかい分、逆にたくさん使うことになり、しかも拭き心地は決して良くない。結果は明白だった。支払う金額は増え、満足は増えず、余計な手間がかかる。

数日後、久しぶりに TimTam を買った。開けた瞬間、違和感があった。中のプラスチックトレーが変わっている。中央の仕切りが厚くなっていた。以前は10枚入っていた箱が、今は9枚。

デザインは合理的だ。きっと説明も用意されているだろう。でもその場で少し立ち止まった。この手法、20年前にもう見たはずではなかったか。なぜまた繰り返されているのだろう。

失望は、静かにやってきた。

消費されるのは量だけではない。信頼も一緒に削られていく。「少なくとも誠実であってほしい」という期待も。

消費の罠が巧妙なのは、騙すことではない。気づく前に、私たち自身がその企業の代弁をしてしまうことだ。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 壹佰壹拾肆 CXIV 🧻

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