🎐 潯珩亂筆 102 - ✨そっと一回、回してみる

最近、LEGOのカプセル自販機を買った。

正直、すごいものではない。  組み立てた後は、  コインを入れて、  つまみを回して、  カプセルを開けて、  LEGOの小さな人形を組み立てるだけ。

それなのに、とても気に入っている。

LEGOそのものが理由ではない。  好きなのは、  回す前のあの一瞬。  中身がまだ分からない、その時間。

カプセルの中身は自由に入れ替えられる。  普段は自分のために回し、  休日には家族や友人にも回してもらう。

欲しいのは「物」じゃない。  「何が出るかな?」という感覚だ。

それは、おみくじや占いキーホルダーに似ている。  結果は限られている。  大吉、中吉、小吉、あるいは今日は違う、というだけ。

人生が変わらないことは分かっている。  それでも、手は自然と伸びてしまう。

日本には、自販機への不思議な愛がある。  好奇心、プライバシー、  人と話さなくていい安心感、  少ない労力。  それらを静かに満たしてくれる。

だからこそ、自販機では生きた蟹、牡蠣、焼きたてのピザ、  魚のスープ缶、中古の服、  いわゆる「原味」の服、  おもちゃ、空気の缶、謎のガス、  カブトムシ、詩や短編小説まで売られている。  場所によっては、金、車、キャビア、  そしてギャンブラー向けの「謎の缶詰」まである。

現代人のブラインドボックスへの執着は、  決して小さくない。

賭ける本能は、  きっと人間の遺伝子に刻まれている。

でも、それが必ずしも悪いとは思わない。

私たちは勝ちたいわけじゃない。  ただ、規則正しい毎日の中に、  小さな不確定性を残したいだけ。

一日一回、そっと回す。  世界は、まだ完全には計算されていないと、  自分に思い出させるために。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 壹佰零貳 CII 🧸

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