🎐 潯珩亂筆 086 - ✨ショッピングモールにある「偽物のVR」 🥽

先日、ショッピングモールに新しくできたVRセンターに立ち寄った。 少し期待していたが、すぐに違和感を覚えた。

そこにはゴーグルもなく、ただ大きなスクリーンで3D映像を見せられるだけの「VR」があった。まるで、初期のVIVIDのような、すでに役目を終えた技術だった。

90分体験と書かれていたのでチケットを買ったが、 10分もしないうちに外に出ていた。

忍耐力の問題ではない。 ただ、内容があまりにも薄かった。

数年前、上海でずっと安い料金で、もっと完成度の高い没入体験を見たことがある。 それらはすでに進化し、更新され、過去のものになっていた。それが今、海外では「最新体験」として再登場している。

子どもを連れた家族が楽しそうに写真や動画を撮る姿を見ながら、私はただ、自分の感覚が雑に扱われていると感じていた。

モールの周囲には、帰国土産や3Dプリントのミニフィギュア、 とっくに時代遅れの演出が溢れていた。
もはや文句を言う言葉すら残っていなかった。

それは「つまらない」のではなく、感覚への強制的な侵入だった。

以前、公園で見た安っぽい遊具を思い出した。バランスの崩れた目をした動物の乗り物、原色がぶつかり合うプラスチックの世界。

なぜ、こうしたものが「文明社会」の名の下で許されているのだろう?

さらに不安なのは子どもたちだ。彼らは疑わず、ただ真似をする。美意識は、こうして静かに形成されていく。

これらは本当に必要なのだろうか。

もしかすると、悪意ではなく「知らない」だけなのかもしれない。美しさを見たことがなければ、醜さにも気づけない。

そう思った瞬間、私は立ち止まった。自分の価値観を他人に押し付けてはいないか、と。

それでも、私は完全には引き下がれない。

文明の進化は、「まあいいか」で起こるものではない。誰かが問いかける必要がある。

「そろそろ、やめてもいいんじゃない?」

洗練のためではなく、次の世代の目に、偽物の未来を見せないために。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 捌拾陸 LXXXVI 🥽

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