🎐潯珩亂筆 069- ✨私は共犯者

私は何度も、  ベジタリアンになろうとした。  ヴィーガンにすらなろうとしたこともある。 毎回、まるで禁断症状だった。  決意して、  冷蔵庫を空にして、  誓う。

でも、ある何気ない夜、  体が頭より先に動いた。  肉はまた、  何事もなかったように口に戻ってきた。

本当は望んでいなかった。  けれど体の中に住み着いた古い住人たち——   本能、欲望、  あるいは東洋医学で言う「三尸虫」——  彼らは私を逃がしてくれなかった。

だから私は、  ひとつの動作を覚えた。  食べる前に、そっと言う。  「いただきます。」 その一言で、 責任が儀式に引き取られる気がした。   あれは感謝ではなく、  妥協を降ろすための言葉だったのかもしれない。 私は次第に、  「善良」とは何なのか分からなくなった。

肉を食べないことは善なのか?  でも私はスマホを使い、服を着て、  誰かが追い出された土地に住んでいる。 肉を食べることは悪なのか?  でも私は包丁を持っていない。  屠殺場にも立っていない。

そして気づいた。  私と、私が批判してきた人たちの違いは、  ただ——   殺しからの距離だけだ。

私は無関係ではなかった。  ただ、連鎖の最後にいただけだ。  それどころか、  自分の方が高尚だとすら思っていた。 そう思った瞬間、  罪悪感さえ怪しくなった。

では、私は何ができるのだろう?

すぐに誰か別の存在になることでもなく、  自分を完璧な答えに追い込むことでもない。

せめて——  食べるときに、何も起きていないふりをしない。  選ぶときに、  急いで自分を赦さない。

もし善良さが存在するなら、  それは「正しくあること」ではなく、  完全に盲目になることを拒むことなのかもしれない。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 陸拾玖 LXIX 🐷

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