🎐 潯珩亂筆 057 - ✨ 高い=良い、ではなくなった

昔、私たちはこんな単純なロジックを教えられてきた。  値段が高い=品質が良い。  値段相応。  高いには高いなりの理由がある、と。

情報が不透明だった時代には、  その考え方も、ぎりぎり成立していた。

でも、今はもうそういう時代じゃない。 インターネットがすべてをさらけ出した結果、  本当に教育されたのは、  消費者の選び方ではなく、  悪質な売り手の騙し方だった。

どうやって粗悪品を高級品に見せるか。  どうやって偽物を「ハイエンド」として売るか。  どうやってラグジュアリーの言葉を屋台の朝ごはん屋にまで落とし込むか。

1ドルの物でも、  包装を整えて、  それらしい物語を語れば、  簡単に何十ドルで売れる。

最近、私はDIORのクリームを買った。  何百年もスキンケアをしてこなかった身としては、  かなり譲歩した選択だ。  少なくとも、適当にQVを塗って済ませたわけではない。

結果はどうだったか。  一度塗っただけで、  翌日には顔が赤く腫れた。  香りも妙だった。  無理に「花」を演出したような匂いで、  一瞬で分かる。  これは、花じゃない。

その瞬間、  私は怒ったわけではなかった。  ただ、少し呆然とした。

ブランドとは、本来「信頼」のはずだから。  お金を払うというより、  選択権を預ける行為なのに。

でも、利益に目がくらんだ時代では、  「高い」ことすら保証にならない。  このクリームには、  良心より化学物質の方が多いのでは、  と疑いたくもなった。

そして気づいた。  今の世界は、  「高く買えば安全」ではない。  どんな価格も、  あなたの代わりにチェックしてはくれない。

信頼は、値札には書いていない。  自分の肌の反応にしか、書かれていない。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 伍拾柒 LVII 🧴

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