🎐 潯珩亂筆 056 - ✨ ひっくり返った真実

子どもの頃、  神話は子どもを騙す話だと思っていた。

少し大きくなって科学を学び、  数式、証拠、論理を信じるようになった。さらに宗教に触れ、  それは人の恐れを整理するためのシステムだと感じた。

ここ数年は、  構造、周波数、モデル、フレームワークを語り、  世界を一層ずつ分解していくことで、  ようやく「少しは分かってきた側」に立てた気がしていた。

ところが、ある日、  何かがおかしいと気づいた。

本当に知っている人ほど、  理屈を語らなくなる。  本当に分かっている人は、  物語で話し始める。  神話、比喩、登場人物、荒唐無稽さ。  龍、輪廻、天界、下凡。

それは後退ではない。  ただ——  正面から言っても、もう届かないからだ。

構造を説明しても、理解されない。  原理を語れば、うるさがられる。  でも神話を語ると、  なぜか記憶に残る。

3D世界で修行を学ぶ順序は、  いつも「正しい並び」だと思われてきた。  神話 → 科学 → 宗教 → 構造。でも、宇宙の本当の動きは、  その逆だった。

構造を本当に理解したとき、  最後に選ぶ言語は、  神話へと戻っていく。

神話が低次だからではない。  真実を包めるからだ。  神話は、分からない人のためではない。  「まだ直接は知れない人」のために用意された言葉だ。

だから、先人たちは物語を使い、  本当の秘密を説明書にしなかった。

知られたくなかったのではない。  早く知りすぎて、  道を外れることを恐れたのだ。

「返璞帰真」とは、  何も知らない状態に戻ることではない。  知り尽くした末に、  あえて語らないことを選ぶ——  それなのだ。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 伍拾陸 LVI 🐉

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