昔の私は、 とにかく何でも学びたかった。
写真を少し。 音楽を少し。 デザインを少し。 哲学も少し。 中途半端でも構わない。 技術はいくらあっても邪魔にならないと思っていた。
一人が持つスキルが多ければ多いほど、 強くなれると信じていた。 どんな状況でも、 何かしら使える技があるはずだと。
でも最近、ふと立ち止まった。 学びたくなくなったわけじゃない。 ただ気づいたのだ—— どれだけ優秀でも、 それほど重要ではないのだと。
一人は、 どんなに能力があっても、 やはり孤独で、 小さくて、 脆い。
できることは、 「一人分の時間・体力・視点」に必ず制限される。
すべてを一人で触ろうとするのをやめたとき、 ようやく分かった。 本当の力は、 単点のスキルではなく、 ネットワークにある。
一人の天才では、世界は動かない。 十人が手を取り合い、 それぞれが小さな役割を担うとき、 力は重なり、増幅し、外へ溢れ出す。
それは足し算ではない。 指数関数だ。
だから今の私は、 何でもできることを急がなくなった。
それよりも大切なのは、 自分がネットのどのノードに立っているか。 誰とつながっているか。
誰もが主役になる必要はない。 でも、安定したノード一つ一つが、 全体の構造を支えている。
一人では、足りない。 でも一緒なら、 ちょうどいい。
—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 肆拾捌 XLVIII 🕸️