🎐潯珩亂筆 045 - ✨盲人と象

最近、少し疲れている。  体ではなく、頭が。

宗教は宗教の言い分を持ち、  科学は科学の言い分を持つ。  物理、化学、天文、地理、歴史、哲学——  どれも真剣で、  どれも自信満々だ。

まるで一頭の象を囲んで、  皆が忙しく触っているようだ。

鼻に触った人は言う。  「これは管だ。」  脚に触った人は言う。  「いや、柱だ。」  耳に触った人は言う。  「違う、大きな葉っぱだ。」

さらに面白いのは、  たまたま二人とも耳に触っていた場合だ。  目が合った瞬間、興奮する。  「ほら!理論が同じだ!  私たちは正しかった!」

そして本を書き、  講義をし、  講座を開き、  お金を取って、  まだ耳に触っていない人たちに教える。  「象とは、こういうものだ。」

誰も嘘はついていない。  ただ——  誰も象全体を見ていないだけだ。

象は大きすぎる。  何世紀触り続けても、  全体には届かない。

たとえいつか、  すべての分野、すべての文明が触れた断片を全部並べたとしても、  全体は見えない。

なぜなら、  私たちが触っているのは平面だからだ。  平面をいくら並べても、  立体にはならない。

そう思ったとき、  私は急に、もう触らなくていい気がした。

理解を諦めたわけではない。  「自分の方が多く触ったから、  自分の方が分かっている」  その衝動を手放しただけだ。

もう急いでレベルアップしない。  急いで陣営に入らない。  急いで正誤を決めない。

それが立体であること、  その大きさ、  すべての面が本物で、  同時に不完全であることを理解する。

それで、  十分な気がしている。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 肆拾伍 XLV 🐘

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