🎐 潯珩亂筆 017 - ✨ハッセルブラッドの四角い呼吸

ハッセルブラッド 907 を手にしたとき、私はライカと似た感触だろうと思っていた。  どちらもクラシックな外観で、マニュアル操作が必要で、  あの心を落ち着かせる「カシャッ」という音がする。  その音は、気づけば人を昔の時間へ連れ戻してくれる。

でも、しばらく使って分かった。  この二つは、まったく別のカメラだ。

ライカは「点」から世界を見る。  光がここに落ち、物語はそこから広がっていく。  構図は、一瞬をすくい上げる感覚だ。

一方、ハッセルブラッドは「面」から始まる。  正方形のフレームは、何も置かれていない舞台のようで、何を削り、何を残すかを決めるのは、撮る人自身だ。  物語を“掴む”のではなく、“選ぶ”カメラ。

色も独特だ。  ハッセルブラッドの写真には、不思議な「古さ」がある。  写真そのものが年齢を知っているかのように。  少し黄味がかって、柔らかく、ゆっくりしている。  まるで、目を覚ましたばかりの記憶のようだ。

面白いことに、一般の人には違いが分からなくても、  分かる人には一目で分かる。  これはハッセルブラッドの呼吸。  あれはライカの鼓動。

この二台は、私の人生における二つの「目」なのかもしれない。  ひとつは光と細部を見る目。  もうひとつは全体と取捨選択を見る目。

その両方を使いながら、  私は少しずつ、自分自身の見方を学んでいる。



—— 潯珩亂筆 | XC Scribbles · 拾柒 XVII 📸

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